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ツボとハナ




僕にとって台湾に来て思う最も大きなことが、ツボとハナのこと。


数年前に、父と兄の二人だけで台湾へ旅行に行った。
お茶屋に行ったり、故宮博物館へ行ったりしたらしい。


どうして二人だけで行くことになったのか正確なことは覚えていないけれど、
二人は確かに台湾に来たし、そこで父はツボを買った。



それでけは間違いない。



普段、買い物が好きというわけもなく、
洋服やカバンなんかにお金をかけることがない父。

そんな父だが、5年に1回くらいの割合でたまに家族がアっと驚くような買い物をする。



それが、このツボ。
なんと高さが、僕の身長よりも高い。
重量も、僕より重そうな気がする。



いやいや、もうそれってツボの役割を果たしてないよ?
花とかいれても、ちっとも顔出さないよ?
水をいれたら最後、一生水を取り出せないよ?
そもそもいくらなの、これ? 輸送費とかも高いんでしょ?


そんな疑問はいくらでも出てきたが、
父が自分で稼いだお金で、大満足な表情をして買ってきたんだからしょうがない。


そのツボは今でも我が家の玄関で、
花も、水も入れられることなく、もちろん僕の身長よりも高く、堂々と飾られてある。




台湾に来てそんなことを思っていると、
自然とハナのことを思い出した。


14年前。


酔っ払いながら散歩へ出かけてくるという父に母が言った。
「ウサギのエサを買ってきて!」



数時間後、
どういうわけか父が買ってきたのは、ウサギのエサとは全く似ていない柴犬のハナ。


全く意味がわからない。


「私と目が合って、連れて帰ってほしそうだった」
平然とそんなことを言っていた父。


家族がアっと驚いた買い物、柴犬のハナ。



そんなハナは、我が家にたくさんの幸福をもたらしてくれた。




家に帰ってきたら、
知らない柴犬がわっほーいと家中を駆け回っていたハナとの出会い。


おデブになる前は、階段を昇り降りできたハナ。
僕が家に帰って二階にある自分の部屋に行くと、ホクホクのうんちがあったのはご愛嬌。


虚勢手術後。
「自分、病気ですから」って感じで、しばらくベッドに引きこもって一人入院生活。



98年フランスワールドカップ予選の韓国戦で山口素弘の芸術的ループシュートが決まったときに
家族で大歓声を上げた。

「うおーーー」

この声に驚いたハナは、突然ビクっと起き上がり、そこから全く動けなくなった。
どうやら腰をぬかしてしまったらしい。

それ以来、ハナはサッカー中継がはじまると、
賑やかなリビングから、静かな父の寝室へと逃げ込むようになった。



高校時代。
朝起きると、尻尾を振ってやってくる。
靴下を放り投げると、見事にキャッチ!



いつからか、そんな遊びもハナはやらなくなった。



ハナは穏やかで優しくて、散歩がきらいというおデブな柴犬。
みんなから愛されて、可愛がられた本当に素敵な犬。


そんなハナは、僕たちが出発する数日前に亡くなった。

ハナが亡くなって、
「身近な存在を大切にしていこう」と改めて思った。



ツボは父に幸福を、ハナは家族に幸福を与えてくれた。



父の衝動買いもわるくない。

わるくない。



(ひろし)


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